グローバルジョーク、教えてください。w

職場のMさんのお友達から、自分では手にしないような本を借り、借りた手前、読まねば・・・と、読んでみたら、すごく面白い。

ロシア語同時通訳、のちに、作家・エッセイストとなった、米原万里さんが書いた、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 『ガセネッタ&シモネッタ』


『ガセネッタ&シモネッタ』を読んでいる最中だった・・・いつも、遊んでもらっているロシア人夫婦のグレゴリーとバッシリナとの会話の中で、ジョークについて、話をしていた。


なんか、二人で話して、笑っているので、何で笑っているのか聞いたら、ロシアジョークに笑っていたよう・・。
聞いても・・なんだか、私たちには、ピンっとこない


どこの国にも、その国ならではのジョークがある。
それを訳すとしても、ニュアンスの違いでうまく伝わらなかったり、またその国ならではの文化や習慣などのバックグランドをも理解し得ないと、笑えない事がある。・・・というか、そういう場合のほうが多いと思う。


米原さんは、ロシア語の同時通訳をされていた。
スピーカーから3〜4秒遅れてはならない、同時通訳。
言葉遊び、掛詞、駄洒落などの通訳は、絶望的だという。





たとえば、彼女が、とあるドイツ語の同時通訳者との会話を書き出しているくだりがある。
ドイツ語同時通訳者:「通訳者は、みな一匹狼だから、動けるうちはいいが、働けなくなったら、不安。だから、今から共済会を結成し、基金を募って、将来通訳者たちの共同老人ホームをつくったらいいと思うのだけど・・。老人ホームの名前も決まっているの。」


・・・「アルツハイム」

おもわず、一人で地下鉄の中で、ニヤリとしてしまった・・・。
ちょっと、こういうの・・私好みなんです(笑)


それと・・・

彼女と、とある韓国語通訳者との会話でも・・・。
韓国語同時通訳者:金正日総書記の好物、知っている?サンドイッチなんですって。サンドイッチって、韓国語で何と言うか知ってますか?」

・・・「ハムハサムニダ」
※韓国人の友達に聞いたら、サンドイッチは、外来語で韓国語でも『サンドイッチ』と、言っているそうです。


もう・・・思わず、笑ってしまった(笑)


これって、いずれにしても、日本語と、かつ日本でどのように外来語が使われているか、そして、イタリア語と韓国語の発音の特徴が、なんとな〜く分からないと面白くない。




これが、面白く感じた・・・と、他の国の言語に訳すのって・・まどろっこしいし、意味が伝わったところで、その面白さってのは、伝わらないのだと思う。


通訳をするって、やってみると、う〜〜ん・・・って考え込む事が多々ある。
私の中国語レベルでできる通訳なんて、日常会話くらいのものだけど、それでも・・・う〜〜ん、これは、何と訳したらいいものか・・・と、結局、曖昧にぼかすことしかできなかったり・・・。
そして、私にとって、第一言語は、日本語。
普通、第一言語へ訳すほうが、訳す側は楽なのだけど・・・日本語に訳すのに、言葉が出てこないときも多々。自分の単語力のなさ・・。



通訳って、そら恐ろしい単語力と、単語が出てこなかったときや、どう訳していいか分からなくなった時には、柔軟に、ソレに代わる何かで表現をしなければならない、連想力、表現力が必要なんだな・・・と。
同時通訳の場合には、さらに、咄嗟にこのような力が必要となる。





たとえば、『ガセネッタ&シモネッタ』の中に、書かれているのだが、ある国際会議で、ロシア語の通訳をしているとき、日本人のスピーカーから社会主義と民主主義がどう違うのか、よくわかりません。つまり、カレーライスとライスカレーがどう違うのか、あるいは、クソと味噌がどう違うのか、という感じでありまして・・・」というくだりがあったらしい・・。

カレーも、味噌もソ連(当時は、ソ連)にはない・・。「カレーライスか、ライスカレーか」のところは、「ハム&エッグか、エッグ&ハムか。」「味噌か、クソか」のところは、「発酵性大豆ペーストか、クソか」と訳した、とのこと。


見事。



第一言語の日本語ですら、単語力がないのに、それを第一言語以外の言葉で表現するのは・・・難しい。
グレゴリーに、何か、日本のジョークを教えて・・・と、言われたものの・・・旦那も私も黙り込んでしまった(笑)



ほんと、言葉遊びが多いように感じる日本語のジョーク・・・駄洒落なんか、言ったところで、笑えるわけがない・・。
そんな事を説明していたら・・・「日本で使っているんだけど、グローバルなジョークを教えてよ・・・」と、いつもの事だが、難題をふっかけてくる。(笑)


いっそう、黙りこくる私たち(笑)


たとえば・・・「ロシアのジョークにこんなのがあるよ・・・」と、グレゴリーが切り出した。


「ブロンドヘアーの女の子と、黒毛の女の子がいます。・・ちなみに、ブロンドヘアーの女の子は、なぜかロシアでは、ちょっと『ドジな女の子』というイメージがあるんだ・・だから、よくジョークには、この『ブロンドの女の子』と、対照的に『黒毛の女の子』・・・と、いう言い方で、語る事があるんだ。Anyway, この2人の女の子がいます・・。ものすごく、寒い日に、2人がとある部屋に入りました。ブロンドの女の子は、なぜか、部屋の4隅のうちの1つの隅っこで固まっています。黒毛の女の子が、“なんで、隅っこに居るの?寒いんだから、中のほうに来なさいよ。”と、呼び寄せたところ・・・」

・・・・。


「ブロンドの子は、“あら?知らないの?隅っこは、いつでも90度なのよ・・”と。」




・・・ちょっと、知的なジョークじゃないっすか?(笑)
でも、これって、まさに、グローバル!!




ブロンドヘアーと、黒髪の子の認識は、もしかしたら、ロシア独特のものかもしれないけど、内容は・・・どこの国の言語に訳しても、通じるジョークですよね?ちょっと、感動してしまった(笑)



数学って、グローバルぅ〜!!w






で・・・未だに、グレゴリー達に、返してあげるジョークがないんですが・・・。
日本に、世界どこでも通用するような、ジョーク・・ありますか?
思いつたら、教えてください。(笑)





ちなみに、通訳者に下ネタ好きが多いそうですが・・・と、いうのは、下ネタほどいかなる言語、文化をも楽々飛び越えて、万人に通じる概念はないから・・とのことです。
やっぱ、そうなるのか・・・。