フリック・コレクション(Frick Collection)♪

職場のMさんの友人が、会員になっているおかげで、無料でチケットをもらったそうで・・・。

一枚余ったとのことで、頂戴いたしました。


行ってみたかっただなぁ〜〜、フリック・コレクション(Frick Collection)


ここは、鉄鋼王のヘンリー・フリック氏の邸宅だった所で、彼が生前に収集した個人的な美術品や工芸品(コレクション)を展示している。

メトロポリタン美術館からも、近く、すぐお隣は、セントラルパーク。
閑静な場所に建っている、まさに豪邸。。。いまでは、美術館ですが・・・。

美術館にしては、規模が小さいものの、展示品は充実している、と聞くので、一度は行ってみたかった所。
そして、フェルメールの絵画も3点所蔵されている。


こちら、入り口。

これが、家だとすると・・・相当立派な玄関だこと・・。


中に入ると、レセプションホールに通され、チケットを購入して入る。通常だと$18。

ここは、ありがたい事に、オーディオガイドが無料で借りられる
日本語での解説を聞きながら、自分の好きなように歩いて、廻る事ができる♪


ただし、写真撮影は、禁止。至る部屋に警備が居て、厳しく監視しています。
また、美術品は、すべてフリック氏の生前の生活をしのべるよう、壊れやすい美術品もそのまま自然なかたちで展示されている為、10歳未満の子供の入館も断っている。


ということで、残念ながら、素敵な邸宅内の写真を撮ることができなかったです・・。


まずは、エントランスホールをつっきって、ダイニングホールへ。
そこは、月に2回ほど、フリック氏が客人を招いて晩餐会をしていたそうな。

Thomas Gainsborough(トマス・ゲインズバラ)が描いた大きな肖像画が並べられてる。


盗難防止ガラスごしに置かれた、この銀食器は、わりと最近になってやっと公開に至ったとのこと。

とってが、になっていて、本当に細やかな飾り彫りがされている・・。

ダイニングルームに置かれた食器たちは、たんなる飾りとしてではなく、日常使いやすいものを・・とフリック氏が選りすぐったものなんだとか。


庶民の私からしてみると・・・そんな食器で食べたら、食べた気しないだろうなぁ・・(汗)


イギリスにおける穏やかな公園の様子、トマス・ゲインズバラのこちらの絵も印象的でした♪




向かいお隣のお部屋は、Fragonard Roomと名づけられており、その名の通り、Jean-Honore Fragonard(フラゴナード)の絵画が部屋いっぱいに、敷き詰められている感じ。


こちらの連続した壁画は、一人の女性の恋の行方を絵にしたもののよう・・・。
男性が、壁をよじのぼって来たり、求愛の象徴である薔薇を送ったり・・。最後は、仲むつまじく寄り添っている二人の姿。




そもそも、この部屋は、晩餐会の後、殿方をダイニングルームに残して女性陣が集まった部屋なんだとか。なんともロマンチックな雰囲気です。


そして、お隣、リビングホール。
なんとも、威厳高いお部屋です。・・・リビングなのに・・。


ここでは、15世紀ヴェネツィア派の最大の巨匠、Giovanni Bellini(ジョヴァンニ・ベッリーニの「St. Francis in the Desert」の前で足をとめました。

色彩が鮮やかです。なんとも、神秘的・・・。




そのすぐお隣の部屋は、図書室。フリック氏は、「本を読まない、ということは、むしろ後退している・・」と、言ったほど、愛読家だったそうで・・重々しい本がずらり・・。


そんなお部屋にも、至るところに絵画。
ここで、目に留まったのは、こちら。Romney(ロム二ー)の女性の絵。

17歳のこの女性の愛らしい笑顔。
が、その裏には、こんなストーリーが・・・文学と音楽の教養を持ち、のちに英国大使と結婚し、彼のおかげで、更なる教育に従事し、才能を伸ばすことができた。が、別の伯爵とも恋に落ちる。後に、夫と愛人の両方から財産を相続するが、彼女の浪費によって、借金地獄に追い込まれることに・・



ガーデンコートに向かう途中のNorth Hallでは、こちらに目がいきました。

Jean-Auguste-Dominique Ingres(ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル)の、この女性の絵・・頭の赤い髪飾りが色鮮やかで、ちょっとすまして、余裕気な表情で首を傾けてこちらを見ているその姿・・。

若干20代にして、3人の子供がいたという。
可愛い顔して、ちょっと恐ろしい事を言っていた・・・オーディオガイドで聞いて・・女ってこわいなぁ〜(汗)って(笑)はっきり覚えていないが、「私に喜び、幸せを求めてくる者には、与える分、災いをもたらすのも、私の役目・・」的な・・。



South Hallにて!フェルメールと遭遇。


ここには、「中断されたレッスン」(1660)、「兵士と笑う娘」(1655-1660)、「婦人と召使」の3点が置かれている。
が、この日、残念なことに、「婦人と召使」が展示されているウェストギャラリーが修繕の為、閉鎖されていたので、そちらの絵画を観ることができず・・・それでも、もう十分贅沢なんですがね☆


「中断されたレッスン」

「兵士と笑う娘」

ほんっと、光の差し具合の表現が、ものすごく精密というか・・。目の前にその光景が見える感じです。
兵士の肩に差し込む光が、部屋の隅にいくにつれ、暗くなっていく・・。
ぽかぽか日和の、ひとときの休息・・・あたたかいですねぇ〜。


なんと、フリック氏、ワシントンでの「フェルメール」展にも貸し出してくれなかったというくらい、門外不出の彼のコレクション・・・ここでしか観れないのか・・・。




そして、かなり気に入った空間・・・ガーデンコートと呼ばれる噴水つきの池のある中庭。ここが、マンハッタンのど真ん中だなんて事を忘れてしまうくらい、静かで水の音が心地いい空間。
天井は、半透明のガラスで、間接的に採りこまれる外光が、また気持ちいい・・。季節によって、植える花も違うのだとか・・・。


静かに物思いにふけったり、考え事するには、かなり良い場所です・・。あ〜、ほしい。(笑)


そのお隣には、Music Roomがあり、大きなスクリーンで、この美術館ができあがるまでの物語を上映。



ガーデンコートのすぐ目の前のお部屋、Oval Roomには、縦長の肖像画がいくつも立てかけられてある。
日本の浮世絵にも興味を示していたというアメリカの画家、James Abbott(ジェームズ・アボット)の絵が多いのが印象的。

黒で統一された二枚の絵が、まず入り口の両側に、たてかけられてある。


確かに、美術館としては、こじんまりしているが・・・でも、これ、人の家だったわけで・・。
もう、この邸宅自体が、高価な芸術品です。


館内は、ひっそりとしていて、あまり人も多くなく、ゆっくり、じっくり廻れる。
雰囲気はとってもよく、落ち着けるし、今まで行った美術館の中でも、かなり好きな所となりました。



ここの展示品は、フリック氏の遺言により門外不出。
実物を見たいのであれば、NYのこの邸宅に足を運ぶしかない、とのこと。

NYに居て、いいところは、こういうところですね・・はい。


帰り際、お手洗いに寄ったのですが・・・なんて、可愛らしいトイレ。w


外にも緑の多いお庭が・・。


で、実は、二階以上へ一般の人は入れず・・・ワンフロアしか廻っていません・・どんだけ広いのでしょうか、この邸宅
階段付近には、パイプオルガンらしきものが見えましたが・・・家にパイプオルガン?!



・・・ただただ、すごい・・。


※写真の引用は、こちらから。